第10088号 2020年04月09日
 中通総合病院

医療福祉相談室と共に対応 ─社会的問題の増加に伴い

中通総合病院は日本司法支援センター(通称・法テラス)の秋田地方事務所と協定を結び、3月から法的サービスの提供について協働連携を図っています。

医療福祉相談室では患者さんやご家族の相談業務にあたっています。経済的に困っていたり、支える親族がおらず孤立化するなど、さまざまな社会的問題を抱える方が多くなっているため、社会福祉士の支援に加え、弁護士の法的な介入が必要な相談も増えています。実際に、借金や債務整理、離婚、虐待などが関係したケースがあり、その都度、法テラスの弁護士と連携し、問題の解決にあたってきました。
連携を重ねるごとに医療福祉相談室では、司法との連携の必要性を実感。また、法テラス側も法律相談に対するハードルを下げ、司法と福祉のネットワークづくりにつなげたい意向を持っており「患者さんの権利を擁護するため、連携の強化が必要である」という両者の認識が一致し、今回協定を結びました。
協定を結んだことによって、より円滑に弁護士への相談ができるようになりました。患者さんや家族の方が弁護士への面談に出向くことが困難な場合は、弁護士が病院を訪れて相談に乗るケースもあります。また、相談者の方に協定締結の旨を伝えることで、弁護士への情報提供の了解が得られやすいなど、これまで以上にスムーズな解決につながることが期待されます。
医療福祉相談室では「医療機関では、もともと抱えていた問題が顕在化しやすく、法的な対応が必要になることも多くあります。法テラスと医療機関が協定を結び、弁護士と社会福祉士が協働して支援するのは全国的にも先進的な取り組みです。今後は連携協定を活用し、患者さんの権利擁護に寄与していきたいと考えます」と話しています。