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歯科通信

外科療法(関節腔洗浄療法、パンピング・マニピュレーション)

★ 歯科医師 東海林 克

昨年の5月から連載してきました「顎関節症について」も今回でいよいよ最終話になります。今回は、一般の歯科医院や歯科クリニックでは行われることのない外科的な対応と、歯科治療的な対応、そして自然的経過について話します。

◇顎関節症の治療

(3)治療の実際

6.外科療法
顎関節症の治療法の中で、外科的な対応は一般の歯科医院やデンタルクリニックではほとんど行われませんので、ここでは外科処置の名称とその概略についてお話しします。手術的治療法には以下のものがあります。

①関節腔洗浄療法
「関節腔(かんせつくう)」」内に持続的な炎症が起こると、関節内に血液や炎症性の様々な物質が貯留します。本法は、関節腔内に注射の針を2本穿通して、片方からは生理食塩水を流し込んで、もう一方から関節腔内に貯留した物質を排出する方法です。「顎関節円板障害(かんせつえんばんしょうがい)」のうちで、前にずれ落ちてしまった「関節円板」が口を開けても元に戻らなくなってしまった病態のⅢb「非復位性円板前方転位」や、関節を構成する骨に障害が起こってしまった「変形性顎関節症(へんけいせいかんせつしょう)」の病態に用いられます。

②パンピング・マニピュレーション
関節腔内洗浄と同様に関節腔内注射の針をに穿通して、炎症性の物質を洗い流すだけでなく、注射シリンジで関節腔内に陽圧を加えて関節腔を押し広げて、動かなくなった「関節円板(かんせつえんばん)」を動かすようにする処置法です。本法も関節腔内洗浄と同様にⅢb「非復位性円板前方転位」の病態に用いられます。

2014年6月号 顎関節症について  顎関節症の治療8