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歯科通信

スプリント療法(前歯接触型、全歯列接触型、特殊型)

★ 歯科医師 東海林 克

顎関節症は、歯周病に次いで有病率の高い病気と言われています。日本では20代から30代の女性で発病率が高いと言われます。今回は、顎関節症の治療法、そして治療のアイテムとしてよく使われる「スプリント」についてお話します。

◇顎関節症の治療

(3)治療の実際

5.スプリント療法
マウスピース、アプライアンス、シーネなどといろいろな名称がつけられている歯科用プラスチックである「レジン」などで作られた可撤式の「装具」のことを、スプリントと言います。過去には、以下に示すいろいろな形状で、それぞれの病態に適用したスプリントが治療に用いられました。
◆前歯接触型
上あごか下あご、あるいは上下の前歯を部分的に覆う形のスプリントです。咬みしめによっておこる「咀嚼筋(そしゃくきん)=顎を動かす筋肉のこと」」の過緊張を収めることを目的に使用されます。適用病態は、「咀嚼筋痛障害(そしゃくきんつうしょうがい)です。

◆全歯列接触型
イ. 片顎応用型(上顎応用型・下顎応用型・)
ロ. 上下両顎応用型

上あごか下あご、あるいは上下の歯並び全体を部分的に覆う形のスプリントで、「スタビライゼーションスプリント」と呼ばれます。このスプリントは、前歯接触型の筋肉の緊張緩和に加えて、全部の歯が均等に接触するように調整するため、顎の位置が安定することで症状を緩和させることを目的に適用されます。適応病態は、顎関節症の全病態です。
◆特殊型
イ. 誘導型(下顎前方整位型)
上あごか下あごのどちらかの歯列全体を覆う形をしていますが、「スタビライゼーションスプリント」との違いは、前歯の下べろ側に、下顎を適正な位置に誘導する出っ張りがついています。「顎関節円板障害(がくかんせつえんばんしょうがい)」で、前方にずれてしまった「関節円板」が、口を開けることで正常な位置に戻る「復位性(ふくいせい)」の病態では、元に戻る位置を「治療位(ちりょうい)=治療に適した顎の位置」として、その位置に誘導するように誘導板を付与します。「非復位性(ひふくいせい)」の病態では、「徒手的受動法(としゅてきじゅどうほう)」などで、関節の位置を元に戻すことができた時に再び「関節円板」が前にずり落ちないように誘導板を調整します。

2014年5月号 顎関節症について  顎関節症の治療7