歯科通信

変形性顎関節症 Ⅳ

★ 歯科医師 東海林 克

前回は、顎関節症の診断の2番目のステップである「病態の分類手順」に用いられる各種画像検査についてお話ししました。今回は、実際の「病態の分類手順」で、顎関節学会のガイドラインにある「各病態の診断手順」についてお話します。

◇顎関節症の診断

(2)病態の分類手順
一般社団法人「日本顎関節学会」が2001年に示している「顎関節症診療に関するガイドライン」の分類基準を以下に示します。

1.変形性顎関節症 Ⅳ
《診断基準》
①臨床所見
関節痛、開口障害あるいは関節雑音のいずれかを呈するもの。
②画像所見
・骨皮質の断裂を伴う骨吸収性変化
・辺縁部骨増生
・骨吸収を伴う下顎頭の縮小化のいずれかが見られるもの。

《診断上の注意点》
①画像所見のうち骨の硬化、骨皮質の存在する外形の扁平化、骨皮質の存在する陥凹、石灰化物および関節浮遊体は単独では変形性顎関節症を確定する所見とならず、進行性であるか否かの経過観察を必要とする。石灰化物が複数見られる場合は顎関節症および変形性顎関節症以外の病変を疑って精査する。
②顎関節における成長終了以前での骨変化の診断に際しては慎重な対処をようする。
③エックス線検査法としては、回転パノラマエックス線撮影あるいはパノラマ顎関節撮影法が最低限必要である。しかし、これらの撮影法のみでは側頭骨の変化を確定することは困難である。また、より診断精度の高い検査法(CT、MRIなど)を行った場合には、それらの所見を優先する。

2014年1月号 顎関節症について  顎関節症の診断手順3