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歯科通信

うつ病の病期気/歯科疾患との関連/歯科治療時の注意事項

★ 歯科医師 東海林 克

うつ病と歯科治療

◆うつ病の病期
【前駆期】
うつ病になりかかった段階で、本人は病気と思わないためほとんどの場合、治療に結びつきません。
【極期】
うつ病のさまざまな症状がはっきりと現れる段階で、本人も周りの人も今までと違う状態に気がつくので、ようやくこの段階で病気と認識して受診して、多くはこの時期に治療が開始されます。
【回復期】
治療によって回復に向かいつつある段階で、うつ状態が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ回復していきます。
【中間期】
うつ病が完全に回復した段階ですが、うつ病はきわめて再発しやすい病気であることから病相と病相の期間を中間期ととらえて、再発予防のためにストレスへの対応や心身への配慮が求められてきます。

うつ病の治療の概要
1.休養
うつ病のひとは、几帳面で責任感が非常に強い人が多いので、仕事や家事などを休むことに難色を示しがちです。しかし、治療のためには心身の休養を取ったほうが、治療期間が短くすることも、回復を早めることもできます。
2.薬物療法
うつ病の治療薬である「抗うつ薬」は、効果が高く安心して服用できるものが使われるようになっています。口乾、便秘、排尿障害、尿閉などの薬の副作用が疑われる症状が現れときには、自分で対処しようとせずにすぐに主治医の先生に相談しましょう。また、症状がよくなったからといって勝手に服用を中止すると、症状の悪化を招く例もありますので自己判断は禁物です。
3.精神療法
うつ病は「脳の病気」であり、「こころの病気」です。治療を円滑に進めていく上で、定期的に医師と患者が繰り返し面接を行うことで、病状の原因や安定を妨げている患者が抱える悩みや、病気などに対する不安を取り除いていくのが精神療法です。十分に休養し、薬の効果がある程度現れてから行われます。
患者さんは医師やカウンセラーに相談することで、生活や仕事に対する考え方を少しずつ変えて、柔軟に考えることができるようになることから、うつ病を治したり、再発を予防したりすることにつながります。

◆歯科疾患との関連
うつ病にかかる人は、元来真面目で几帳面な人が多く、口腔内の清掃もよくされていることが多いのですが、うつ状態になると、気力の減退と集中力の低下が起こることで、口腔内の清掃意欲が無くなり、汚れが溜まったままになります。また、睡眠障害にともなって生活が不規則になりやすく、全身状態も悪くなるため、歯ぐきの抵抗力が弱まってむし歯や歯周病にかかりやすくなります。さらに、治療のために「抗うつ剤」や睡眠障害のため「催眠鎮静剤」を飲むと、薬の副作用で唾液の分泌が抑制されるので、 歯の表面についた汚れが取れづらくなって、むし歯や歯周病を進めてしまう原因になります。また、歯ブラシを当てるときにブラシのすべりが悪くなるので、ちょっとした力で傷がつきやすくなります。歯ブラシによって歯肉に傷をつけないためには、歯ブラシ前にうがいをして口の中を湿らせたり、毛の柔らかいブラシを使用するなどの工夫が必要になります。

◆歯科治療時の注意事項
治療薬の中には、麻酔薬の使用に注意を要する場合があります。受診する前に、主治医の先生に処方薬の内容などを記載した紹介状を書いてもらうようにしましょう。


《引用文献》 e治験ドットコムホームページ
うつ病情報館ホームページ
㈱ヤンセンファーマホームページ


2012年4月号 身体の病気と歯科治療  精神・心因性の病気 うつ病と歯科治療