歯科通信

感染性心内膜炎の症状/歯科疾患との関連

★ 歯科医師 東海林 克

◆感染性心内膜炎の症状
細菌感染に伴う炎症による症状である持続性の発熱や、炎症反応上昇、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、悪寒戦慄、肝脾腫がみられます。心臓の症状として、心雑音、心不全、不整脈などの症状が表れます。
また血栓の形成があるので、血管血栓症状として、手や足の指、耳、腕などに現れる痛みのある小さな紫色のしこりや、爪の下にみられる線状の出血、手のひらや足の裏に現れる痛みのない紅い小さな斑点などがみられます。

感染性心内膜炎の起炎菌
亜急性心内膜炎
レンサ球菌 (緑色連鎖球菌等口腔連鎖球菌を含む)
黄色ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌
好性のヘモフィルス属
急性心内膜炎
黄色ブドウ球菌
A群溶血性レンサ球菌
肺炎球菌
淋菌など
感染性心内膜炎は起炎菌の種類によって、高齢者に多く症状が急速に進行して治療が困難な急性心内膜炎と、若年者に多く症状の進行が数週にわたる亜急性心内膜炎とに分類されます。

◆歯科疾患との関連
心内膜に形成された血栓に感染を引き起こす原因菌は、右表に示すように緑色レンサ球菌が第一位を占め、他にも口腔連鎖球菌が関与していることから、抜歯などの出血を伴う歯科治療が注目されてきました。感染の原因としては他に、扁桃腺摘出手術、消化管・気管粘膜を含む手術などがあるとされています。

2011年2月号 身体の病気と歯科治療 感染性心内膜炎と歯科治療