歯科通信

洗口剤、口中清涼剤について

★ 歯科医師 東海林 克

むし歯の治療・・予防について(8) 洗口剤について

近年の「健康ブーム」で、口腔内の清掃習慣が注目されています。それに伴って「口臭予防」「息すっきり」などの宣伝文句で、さまざまな「洗口剤」や「口中清涼剤」が発売されています。今回は「洗口剤」や「口中清涼剤」について、その違いと各々の構成成分を中心にお話したいと思います。

洗口剤とは

近年、歯磨剤の1種類として研磨剤を含まない「水ハミガキ」と呼ばれる「水歯磨剤あるいは洗口液」というものが発売されています。これら「水歯磨剤あるいは洗口液」は、歯ブラシによる機械的清掃をする前に「うがい」をして使用するのですが、「うがい」という行為の内容には「洗口」と「含嗽」の2種類があります。「洗口」は通常「ブクブクうがい」と呼ばれ、お口の中を清掃して口臭やむし歯の予防など歯科疾患の予防目的としています。一方、「含嗽」は「ガラガラうがい」と呼ばれ、のどの清掃を行うことで、口やのどの殺菌・消毒・防臭・洗浄は、口臭の予防と清涼感を与えるための「口中清涼剤」が発売されています(下表参照)。「洗口剤」は、口腔内の洗浄・消毒を目的とする液体で、口の中をゆすぐために用いられるものです。洗口剤は、歯磨剤と同様に薬事法に基づいて、医薬部外品化粧品に分類することができます。洗口剤には、歯磨剤の特徴的な基材である、研磨剤・発泡剤・粘結剤が配合されていません。また、水に溶けにくい香味剤・保存剤や薬用成分を溶かす溶媒として、エタノール(アルコール類)を配合していることが多く見られます。医薬部外品の薬効成分としては、塩化セチルピリジウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼンナトリウムなどの殺菌剤、銅クロロフィリンナトリウムなどの消炎剤、歯の肉からの出血防止のためにトラネキサム酸などが配合されています。

洗口剤と含嗽剤、口中清涼剤との区別
区別
洗口剤
含嗽剤
口中清涼剤
用 法
適量を口に含み、洗口して吐き出す(外用) 適量を口に含み、うがい(ガラガラまたはブクブク)をして吐き出す(外用) ある程度の時間、口に含んでから飲み込む(内服)、丸剤または板状の固形のものが一般的であるが、カプセルタイプや液剤もある。液剤は1~数滴を滴下または噴霧する
効能効果
口中浄化、口臭予防、または配合されている薬用成分による効果 口やのどの殺菌、防臭、浄化など 悪心、嘔吐、乗り物酔い、二日酔い、めまい、口臭、胸つかえ、気分不快
薬事法上
の規制
化粧品または医薬部外品(一部に医薬品あり
医薬品
医薬品または医薬部外品
洗口剤の効能効果
区別
洗口剤(化粧品)
洗口剤(医薬部外品)
効能効果
基本機能のみ
口中の浄化と口臭を防ぐ
基本機能+各種薬用成分による機能
むし歯の予防、歯垢沈着の予防、歯肉炎の予防、歯周病の予防
口中清涼剤について

お口の臭いにハイザック

塩化亜鉛が臭いに効く

口中清涼剤は、古くは仁丹に代表される口臭の予防と清涼感を与えるもののことですが、丸剤タイプ、板状の固形のもの、フィルム状のもの、液状の洗口用のもの、液状で噴霧するタイプなどさまざまな形態のものが販売されています。薬用効果はほとんどなく、主に芳香性香料によるマスキング効果によって、口臭を抑える効果があります。扱いとしては食品類のものが多く、おしゃれ商品あるいはエチケット商品として販売されています。

2007年1月号 むし歯の治療・・・予防について(8)-洗口剤について