緩和ケアチーム 進藤吉明
「リンパ浮腫」とは、リンパ節やリンパ管の発育不全などのリンパ系の異常によるものと、圧迫、狭窄、閉塞によりリンパの流れが滞り、組織間隙にタンパク質や水分の過剰な滞留によるものの原因から、腕や足などに不快なむくみが生じる状態をいいます。後者の外科的療法や放射線療法の後遺症として発症します。組織の間を流れるリンパ液が滞るため、手(腕)や足(脚)が腫れ、重量感、内部の張ったような苦痛、だるさ、疲れやすさ等を感じます。さらに免疫力が低下するため、過度に疲労を感じたり、むくんでいる皮膚に小さな傷ができるだけで赤い腫れ、痛みや発熱を伴う蜂窩織炎を合併し易くなります。

むくみ(浮腫)は手術後すぐに生じる場合もあれば、数年から時には数十年経過してから現れる場合もあります。症状はゆっくりと進行しますが、長期にわたり適切な治療を受けない状態が続いたり、頻繁に炎症を繰り返すと、皮膚が硬くなり誰かの力を借りないと持ち上げられないほどの太さと、皮膚の硬さと重さを伴う象皮症と言われる重症のむくみに発展することもあります。むくみを感じたら、できるだけ早期に専門医や主治医による適切な診断を受け、「医療リンパドレナージ」を始めることが大切です。
リンパ浮腫の症状を改善するためには、「複合的理学療法」が推奨されています。これは、スキンケア・リンパドレナージ・圧迫療法・運動療法から成り立ちます。なかでもリンパドレナージは、人の手により滞ったリンパ液の流れを整えるマッサージ療法のことをいいます。これらの療法は、専門知識と技術を習得したセラピストにより安全に施されることが必要です。当院では、これまでもリンパ浮腫治療に取り組んでおりましたが、今後、専門スタッフによる治療施設(中通健康クリニック)の窓口として連携していく事になりました。
つきましては、現在リンパ浮腫でお悩みの患者様に、浮腫がおこる前の生活に少しでも戻っていただけるように、また、新たな生活の楽しみを味わっていただくためのお手伝いをさせていただきたいと願っております。当院の「乳腺外来」あるいは「緩和ケア内科」へのご相談をお待ちしております。
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