心臓CTについて

心臓CTについて

東芝メディカルシステムズAquilion64

当院では最先端の画像システムである80列マルチ スライス (東芝メディカルシステムズAquilion PRIME:右図) を2013年から導入し使用しています。従来の一般的な画像処理法のみならず、大阪大学角辻医師の開発したスラブミップ法という独自の方法も用いて、放射線科医師と循環器科医師が画像解析を行っています。
従来でしたら入院の上カテーテル検査が必要であった方がCTのおかげで不要となったり、従来の検査のみでは検出できなかった冠動脈疾患をCTを施行したおかげで見つけることができたというケースも少なくありません (図1-5)。

(図1) 症例1:胸痛の精査目的にて受診された患者様

胸痛の精査目的にて受診された患者様

心臓MSCTを施行し、冠動脈にプラーク付着や狭窄所見を認めませんでした。
80列心臓MSCTによる器質的冠動脈狭窄の診断特異度は約98%です。
すなわち、「CTで異常なしであった方は、ほぼ100%の確率で大丈夫」ということです。

(図2) 症例2:無症状の患者様

胸痛の精査目的にて受診された患者様

冠動脈危険因子(喫煙、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満など)が多いため、スクリーニング目的に心臓MSCTを施行し、左冠動脈主幹部に高度狭窄を認めました。
このような病変を放置すると、急性の心不全や突然死の原因となるため、できる限り早い血行再建(ステント治療やバイパス術)が必要です。

(図3)症例3:冠動脈バイパス術後の患者様

冠動脈バイパス術後の患者様

バイパスの確認造影目的に心臓MSCTを施行しました。左前下行枝遠位部、左回旋枝後側壁枝、右冠動脈後下行枝にそれぞれ吻合されているバイパスが良好に造影され、開存を確認しました。
術後10年経過し無症状など安定されている方には、外来で簡便に施行可能なCT検査が非常に有用です。

(図4)症例4:冠動脈ステント留置後の患者様

冠動脈ステント留置後の患者様

ステント再狭窄の有無の評価目的に冠動脈CTを施行しました。右冠動脈近位部のステント内腔がしっかり造影され、血管内径も十分に保たれていました。ま だ研究段階ですが、定期的なフォローアップが、入院もせずカテーテルもせずに可能となるかもしれません。

(図5) ここまで見える80列心臓CT

ここまで見える64列心臓CT

一般的に80列マルチスライスCTによる虚血性心疾患の診断精度はかなり高くなっておりますが、現在でも、心拍の早い患者様・心不全の患者様・血管内石灰 化の強い方などでは画像が不明瞭なことがあります。少しでも良好な画像を得られるように、ニトログリセリンという血管拡張剤を直前に口腔内噴霧します。ま た、脈拍を一時的に遅くするβブロッカーをいう薬剤を撮影に前もって内服いただいたり、直前に点滴したりすることがあります。

これまでの多くの研究と自施設での経験をもとに、重症冠動脈疾患・難治性心不全を予防するという観点からは、若年で心電図検査正常であっても「マルチファクターを有する胸痛患者様」などには積極的にCT検査を行っていくべきと考えております。メタボリック症候群に該当する患者様で、胸部に違和感を感じているような方には、CT検査をお勧めします。

メタボリック症候群