毎日を健やかに過ごすための「口腔ケア」 
★ 歯科医師 東海林 克
からだに病気や障害のある人の口腔ケア(4)
 口腔乾燥症の方の口腔ケア

2.口腔乾燥症の原因
 唾液は1日に1〜1.5リットル分泌され、物を口に入れて咬んだ状態で10分間に10ミリリットル未満の分泌しかない場合に乾燥状態といいます。
原因としては
口腔乾燥症を引き起こす可能性のある薬剤
抗うつ病薬:クロミプラミン、イミプラミン、フルボキサミンなど
抗不安薬:ジアゼパム、アルプラゾラム、ヒドロキシジンなど
抗精神病薬:ハロペリドール、リチウムなど
抗パーキンソン病薬:ビペリデン、トリヘキシフェニジルなど
抗高血圧薬:カプトリル、クロニジン、カルベジロールなど
抗ヒスタミン薬:ジフェンヒドラミン、アステミゾールなど
抗利尿薬:クロロチアジド、クロルタリドンなど
抗コリン作用薬:アトロピン、スコポラミンなど
抗痙攣剤:カルバマゼピンなど
消炎鎮痛薬:イブプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセンなど
気管支拡張薬:アルプテロール、イソプロテレノールなど
筋弛緩薬:バクロフェンなど
制嘔吐薬:メクリジン、ヒドロキシジンなど
睡眠薬:フルラゼパム、トリアゾラムなど
麻酔鎮静剤:モルヒネ、メパリジンなど

1) 加齢に伴う唾液の分泌低下
2) 発熱・脱水によるもの
3) 内服薬(表参照)
4) 糖尿病・高血圧・腎臓病
  などの内科的疾患
5) シェーグレン症候群
6) 心因性(ストレス・寝不足・
  重度疲労など)
7) 口呼吸(くちこきゅう)

8) 入れ歯の装着に伴うもの

などがあります。

加齢による分泌の減少は、以前より病理学的研究から説明されてきていますが、近年の研究では加齢による影響が少ないとの報告が多くなされています。
 ご高齢の方では、さまざまな内科の病気の治療のため内服薬を飲んでいますが、右表に示すように、さまざまな薬の副作用で口腔乾燥症が起こる可能性が強いとされています。薬剤の投与量だけではなく、薬剤が重複することによって症状は重くなっていきます。
 内科的疾患に伴う口腔乾燥症で代表的なのが糖尿病です。個人差はありますが、血糖値が300mg/mlを越えると口の渇きが現れるといわれます。
 シェーグレン症候群は、1933年スウェーデンの眼科医であるヘンリック・シェーグレンの発表論文によって名づけられた病気で、膠原病(こうげんびょう)の一つです。この病気は主に唾液腺と涙腺などの外分泌腺(がいぶんぴせん:分泌液が体の外に分泌される腺です)に、慢性炎症をおこすので、目の渇きや口の中の乾きを訴えます。
 心因性の口腔乾燥症は、ストレスなどによって体の水分調節が上手くいかなくなることで起こるといわれています。
 口呼吸は文字通り口で呼吸することですが、私たちは日常生活では鼻で呼吸しているのが一般です。しかし、鼻の通気がさまざまな理由で障害されると口で息をしなければならなくなります。介護を必要とする方で、とくに寝たきりの状態の方では口で呼吸している場合が多く口の中が乾燥するだけでなく、汚れがとれずらくなります。


引用文献:医療法人和洋会 川上歯科医院ホームページ
口は健康のもと ホームページ
 広川歯科医院ホームページ
 大津光寛、長谷川 功、佐藤田鶴子:薬剤によって起こる口腔乾燥.デンタルダイアモンド、27(3): 32~37,2002..

目次(2004年) 
1.口腔乾燥症(ドライマウス)とは
3.口腔ケアをする際の注意点
4.コラム(口腔内の保湿と湿潤に...)


 
中通歯科診療所
〒010-0001 秋田県秋田市中通6丁目1-58
TEL 018-832-2833 FAX 018-832-2864
Copyright 2001 明和会 All Rights Reserved