「むし歯」と歯の治療について
★ 歯科医師 東海林 克
むし歯の治療・・予防について(6)
歯磨剤について その2
歯磨剤の組成と成分
 歯磨剤は下表に示すとおり、基本成分と、医薬部外品の「薬用歯磨き類」に配合される薬効成分とで構成されています。
【基本成分】
(1)研磨剤〜歯面に沈着した歯垢や着色性沈着物(ステイン)などの除去をします。
        通常使用する練歯磨剤の基剤となるものです。液体歯磨剤と洗口剤に
        は含有されていません。
        (燐酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等)
(2)発泡剤泡立つことによって、他の配合成分の分散をよくするとともに、
        洗浄効果を上げます。 (ラウロイルサルコシンソーダ、
        ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等)
(3)香味料清掃中の爽快感をますとともに、消臭効果が得られます。
                                  (ハッカ油、ユーカリ油等)
(4)湿潤剤剤型の保持と歯磨剤の乾燥を防止します。
                  (ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等)
(5)粘結剤主に練歯磨剤で、研磨剤と液体成分の分離を防ぐとともに、適度な
        粘性を与えて泡立ちを調整します。
                (アルギン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース等)
(6)着色剤歯磨剤の外観の調整をします。(法定着色料)
(7)保存料歯磨剤の変質を防止します。(パラベン類、安息香酸ナトリウム等)
各種研磨剤の剤型の種類と組成概略一覧
成分/剤型
液状
液体
潤製
洗口剤
性状
ペースト
粘性液体
液体
潤性粉体
粉体
液体
ブラシ併用
あり
あり
あり
あり
あり
なし






研磨剤
10〜60%
10〜30%
70%〜
90%〜
湿潤剤
10〜70%
20〜90%
5〜30%
〜30%
5〜30%
発泡剤
0.5〜2.0
0.5〜2.0
〜2.0
0.5〜2.0
0.5〜2.0
〜2.0
粘結剤
0.5〜2.0
0.5〜2.0
〜0.5
香味料
0.1〜1.5
0.1〜1.5
0.1〜1.5
0.1〜1.5
0.1〜1.5
0.1〜1.5
着色剤
〜0.1
〜0.1
〜0.1
〜0.1
〜0.1
〜0.1
保存料
〜1.0
〜1.0
〜1.0
〜1.0
〜1.0
〜1.0



フッ化物
抗炎症剤
殺菌剤
酵素 など
適量
適量
適量
適量
適量
適量

【薬効成分】
含まれる成分により、炎症を抑えたり、歯面清掃の効率を上げたり、また歯質の強化をしたりします。以下に期待される薬効と代表的成分について列記します。
(1)むし歯予防に対する働き

 @歯質の強化フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ
  などフッ化物により、歯を構成するハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトを
  形成することで歯の耐酸性が向上します。
 Aむし歯菌に対する作用塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンなど
  の殺菌・抗菌剤によってむし歯菌の繁殖を抑制します。
 B酵素の働きをもつ成分、デキストラナーゼなどの酵素によって、むし歯菌が作り
  出すネバネバの元である「デキストラン」を分解して、むし歯菌を歯面からとりや
  すくします。
(2)歯周病の予防または治療
 @ヒノキチオールタイワンヒノキ材から抽出された成分で、歯肉の炎症を抑える
  効果があります。
 Aアラトイン組織を活性化する作用と清浄・止血作用などがあります。
  歯肉の炎症を抑える効果があります。
 B塩酸ナトリウムお口の中を清掃するときに、古来より使用されている「塩」です。
  塩が溶けるときに水分を取り込むので、炎症によって腫れた組織を引き締める
  効果があります。以前に流行した「つぶ塩」は、この効果よりも、研磨剤の作用
  を有します。
 Cトラネキサム酸歯肉の炎症による出血を促進する「プラスミン」の作用を抑え
  ることで、歯肉からの出血を抑制します。
 D塩化リゾチーム市販のかぜ薬に含まれている成分で、炎症によって産生され
  る分泌物の分解酵素です。
  歯周病によって歯肉に形成される付着物を取れやすくします。
 E酢酸トコフェロール歯肉の血管の強化をすることで、出血を抑えて歯肉の
  血行を回復します。




むし歯の治療・・予防について(7)
歯磨剤の種類と剤型
歯磨剤の組成と成分
歯磨剤の使用法


 
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