「むし歯」と歯の治療について
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歯磨剤の組成と成分
歯磨剤は下表に示すとおり、基本成分と、医薬部外品の「薬用歯磨き類」に配合される薬効成分とで構成されています。 【基本成分】 (1)研磨剤〜歯面に沈着した歯垢や着色性沈着物(ステイン)などの除去をします。 通常使用する練歯磨剤の基剤となるものです。液体歯磨剤と洗口剤に は含有されていません。 (燐酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等) (2)発泡剤〜泡立つことによって、他の配合成分の分散をよくするとともに、 洗浄効果を上げます。 (ラウロイルサルコシンソーダ、 ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等) (3)香味料〜清掃中の爽快感をますとともに、消臭効果が得られます。 (ハッカ油、ユーカリ油等) (4)湿潤剤〜剤型の保持と歯磨剤の乾燥を防止します。 (ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等) (5)粘結剤〜主に練歯磨剤で、研磨剤と液体成分の分離を防ぐとともに、適度な 粘性を与えて泡立ちを調整します。 (アルギン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース等) (6)着色剤〜歯磨剤の外観の調整をします。(法定着色料) (7)保存料〜歯磨剤の変質を防止します。(パラベン類、安息香酸ナトリウム等)
【薬効成分】 含まれる成分により、炎症を抑えたり、歯面清掃の効率を上げたり、また歯質の強化をしたりします。以下に期待される薬効と代表的成分について列記します。 (1)むし歯予防に対する働き @歯質の強化〜フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ などフッ化物により、歯を構成するハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトを 形成することで歯の耐酸性が向上します。 Aむし歯菌に対する作用塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンなど の殺菌・抗菌剤によってむし歯菌の繁殖を抑制します。 B酵素の働きをもつ成分、デキストラナーゼなどの酵素によって、むし歯菌が作り 出すネバネバの元である「デキストラン」を分解して、むし歯菌を歯面からとりや すくします。 (2)歯周病の予防または治療 @ヒノキチオール〜タイワンヒノキ材から抽出された成分で、歯肉の炎症を抑える 効果があります。 Aアラトイン〜組織を活性化する作用と清浄・止血作用などがあります。 歯肉の炎症を抑える効果があります。 B塩酸ナトリウム〜お口の中を清掃するときに、古来より使用されている「塩」です。 塩が溶けるときに水分を取り込むので、炎症によって腫れた組織を引き締める 効果があります。以前に流行した「つぶ塩」は、この効果よりも、研磨剤の作用 を有します。 Cトラネキサム酸〜歯肉の炎症による出血を促進する「プラスミン」の作用を抑え ることで、歯肉からの出血を抑制します。 D塩化リゾチーム〜市販のかぜ薬に含まれている成分で、炎症によって産生され る分泌物の分解酵素です。 歯周病によって歯肉に形成される付着物を取れやすくします。 E酢酸トコフェロール〜歯肉の血管の強化をすることで、出血を抑えて歯肉の 血行を回復します。 ![]() ![]() |
中通歯科診療所
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