第10318号 2022年08月04日
 中通総合病院

カテーテルを入れず狭心症の診断が可能に

中通総合病院は7月、冠動脈疾患に対する新たな検査「FFRct」(血流予備量比コンピューター断層撮影)を秋田県内で初めて導入しました。カテーテル検査をしなくても血管の狭窄や流れが分かり、患者さんの身体的負担を軽減できます。

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狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患が疑われる場合、造影剤を使ってCT検査を行います。さらに詳しい検査が必要な場合はカテーテル検査を実施しますが、手首や足の付け根などから血管にカテーテルを挿入することから侵襲を伴い、不安や緊張を感じる患者さんも多く、また、まれに合併症が生じる可能性もあります。
FFRctは冠動脈CTだけでは判断できない点について、カテーテル検査をする代わりに冠動脈CTの画像を使ってより詳しく検査をします。専用のネットワークを通じてアメリカの専門施設へ画像を送信すると、AIによるさまざまな解析が行われ、五時間後、結果が医療機関に送られてきます。結果報告書は数値とともに、三次元画像で示された血管が重症度によって色付けされ、患者さんにも理解しやすくなっています。
画像は冠動脈CTで撮影したものを使用するため追加の検査や入院の必要はなく、精度の高い非侵襲的検査により、冠動脈疾患を持たない方へのカテーテル検査を減らすことにつながります。
FFRctを行うには厳しい施設基準を満たす必要があり、実施している医療機関は全国で約90施設と少なく、秋田県では中通総合病院だけです。