2006.10.10(第11号)
中通総合病院 臨床研修部

第6回岩手県医師臨床研修指導医講習会に参加して

10月6日(金)から8日(日)、3日間の日程で開催されました。ちょうど東北の太平洋岸を2件の海難事故を引き起こした低気圧が通過していた時で、当日夜から大荒れの天候。秋の三陸海岸を楽しもうという目論見は見事に「座礁」しました。もっとも、秋晴れの中で「缶詰講習会」よりもこの方がいい、というのが受講した先生の多数意見・・・ごもっとも。
 私は、受講生ではなく、タスクフォース(TF、訳すと「講習会世話人」)という講習会をお手伝いする立場で参加しました。私に声がかかったいきさつはわかりませんが、今日は、その報告をいたします。
 会場は、県立大船渡病院。10年前に新築されたらしく、見晴らしのいい山の中腹にあり、会場からは港や海がみえるすばらしい環境です。ただし、病院の周辺には何もありません。ベッド数479床(一般370床[うち救命救急センター20床]、精神病床105床、感染病床4床)で、常勤医師37名、19の診療科を有する県内では県立中央病院に次ぐ規模の病院とのことでした。研修医は1年次8名(うち1名は秋田市出身)、2年次4名(うち1名は能代市出身)の12名。広い医局、会議室、テレビ会議システム、各種シミュレーター(ACLSトレーニングシステムはなんと3台)、などなど「さすが県立」という羨ましい限りの設備。東京からいらしたTFの先生も驚いていました。売店は2カ所あり、平日は夜9時まで営業。ただ、研修医室(立派!)が独立しているようで、ちょっと残念かなという印象です。会場となった会議室は、当院の会議室の2.5倍ぐらいの広さがありそうで、3部屋に仕切ることも可能なようでした。
 さて、集まったのは岩手県内の臨床研修病院と協力病院の先生方26名とTF13名(県内9名、県外4名)、計39名+岩手県の職員の皆さん。岩手県は毎年2回この講習会を開催し、すでに指導医の60%以上が受講済みとのことで、こういう取り組みが岩手県の臨床研修に学生が集まる要因にもなっていると感じました。また、TFを勤められた岩手県内各病院研修担当の先生方も、私に対して「なんでここにあなたがいるの?」という姿勢は微塵も感じられず、いいものはどこの何であっても吸収する、という勢いで取り組んでおられたのが印象的でした。講習会全体の司会は、秋田大学第2外科におられた北村道彦先生(現在県立胆沢病院副院長・・・この病院のホームページに「積極的で野次馬根性旺盛な学生諸君を歓迎します」とあったのが印象的でした。)で、秋田県や当院のお話も聞かせて頂きました。北村先生は12月に秋田県で開催される指導医講習会に、TFとして参加されるそうなので、岩手県の取り組みや成果、北村先生のお考えをじっくり聞かせて頂けるものと期待しています。
 私は、この講習会で秋田県と当院での臨床研修に対する取り組みを紹介致しました。その中で紹介した「研修日誌」や「看護師長による研修評価表」に興味を持って頂き、東京からTFとして来られた先生方から「うちで使ってもいいか」というお言葉をいただきました。当院での研修医や看護師長の評判は「いまいち」のようで、「なかなか提出してもらえないのが残念」と紹介時にコメントしたつもりなのですが、「要は使い方」に尽きると思います。また、6月に開催した「中通総合病院の臨床研修を考える」ワークショップについても評価をいただきました。10月に研修医との、11月には看護師長との懇談会もあるのでさらにいろいろ意見をいただき、改善しながら前へ進みたいと思います。
 嵐の中の3日間、アルコールを含め毎夜10時過ぎまでという日程に、多少の疲れはあったものの、多くの先生方とお話ができとても充実した3日間でした。特に、「目標、方略、評価」というカリキュラムの3要素についてやっと理解できたような気がします。それを踏まえて当院の研修プログラムの改訂に取り組みたいと考えています。しかし、いくらプログラムやマニュアルを改訂しても、実際に研修する研修医、指導する指導医・スタッフの意識が伴わなければ、全く役に立ちません。当院の研修が他施設に比べ遅れているとは思いませんが、進んでいるとも思いません。しかし、ちょっと足踏みをしただけで研修病院として命取りになることもあり得る、それが、他県の指導医講習会へ参加しての率直な印象です。まだ講習会を受講されていない先生方には、是非とも次の機会に受講して頂ければと思います。
 最後においしいお酒(まる十 赤ラベル)を紹介してくれた病歴室の後藤さん、ありがとうございました。なかなか好評でした(残念ながら私には???)。ちなみに、岩手県からおみやげに頂いた「紅白のかもめの玉子」は、おいしかったです。

臨床研修担当部 阿部 徹

梅津香織先生、大曲中通病院友の会西仙北支部総会で健康講話

大曲で2ヶ月の研修を終えた梅津香織先生の研修風景 その1コマ

9月7日(木)西仙北総会にて38人が参加して、梅津香織先生が「生活習慣病と健康管理について」と題して健康講話を開催しました。
 参加者からは、質問として「みそ汁は一日一杯で充分と話されたが、私のかかりつけのお医者さんは、食欲ないときは味噌汁だけは飲めと言われている。どうしてか?」
 感想として「大変わかりやすかった。梅津先生が会場に来たときかわいいなと皆な孫のように言っていました。お医者さんには、私達患者の立場からとして、受診したとき丁寧に説明していただけると安心します。」また「医師を増やして下さいという署名をしました。高齢化率30%の秋田県では医師不足は大きな問題です。若い先生は都会に行きたいと思いますが、どうか今後も県民を診ていていただきたいと思います。」とありました。
 健康講話後のお楽しみ演芸会でも先生と会員が交流を深めました。

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お知らせ

1.プライマリーケアセミナー

10月10日(火)

  1. 産婦人科救急疾患(産婦人科)
  2. 心肺蘇生法(麻酔科)

10月17日(火)

  1. 急性腹症(外科)
  2. 小児の急性腹症(小児外科)

いずれも17時30分から 医局会議室です。

2.講演会「みさき病院における高齢者医療の実践」

講師 :
みさき病院 院長 山田 智 先生
日時・会場 :
10月18日(水)18時~  フォーラム秋田(イヤタカ向かい)

3.研修医・指導医懇談会

日時:
10月20日(金)19時頃から
会場:
未定