基本的臨床研修目標

B.具体的目標(1/12)

1.面接及び診察

自己紹介ができる。
患者の訴えを非言語的コミュニケーションも含めて受け止め、安心感を与えることができる。
医療面接におけるコミュニケーションのもつ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身につける。
インフォームドコンセントのもとに、患者・家族への適切な指示、指導ができる。
守秘義務を果たし、患者のプライバシーを配慮できる。
患者の問題、苦悩を、生活、労働、家族、人生など多面的に理解し、共感的態度がとれる。

2.カルテなどの診療関係書類

◎は必修項目(自ら行った経験があること)

診療録を主訴、問診、診察、評価、プランについて時間経過で正しく記載できる。
処方箋、指示書を正確・適切に書ける。
退院時総括を退院から短期間のうちに完成できる。病歴管理の意義を理解できる。
紹介状(診療情報提供書)を適切に書ける。
紹介に際しての返事(返書)が適切に書ける。
診断書、死亡診断書などの各種書類を適切に書ける。
病理解剖の際は依頼書を書ける。CPC(臨床病理カンファレンス)に向け、剖検報告を作成し、症例呈示できる。

3.症例呈示

病棟での回診、検討会などで患者の全体像と問題点の呈示を要領よくできる。
院内での症例検討会(MC)、臨床病理検討会(CPC)にプレゼンテーションできる。
地方会などへ学会報告ができる。
他科や指導医へのコンサルテーションが適切にできる。

4.診療計画

診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)を作成できる。
診療ガイドラインやクリニカルパスを理解し、活用できる。
入退院の適応を判断できる。
QOLを考慮にいれた総合的な管理計画(リハビリテーション、社会復帰、在宅医療、介護を含む)へ参画する。

5.チーム医療の構成員としての成長の課題

他職種の役割、業務内容を理解する。
チーム医療の中での医師の役割を理解し、社会人としての基本的マナーを身につける。
権威主義的でなく、他職種の意見などを謙虚に受け止める民主性を身につける。チームの中の他メンバーと協調できる。
情報の共有化をはかり、治療目標の設定などについては、指導医、 他職種などとの合意形成を大事にする。
研修医の会、青年医師の会などに集い、同僚、後輩、先輩との情報の共有、人間的交流を大事にする。
医局会議に参加し、病院全体の動きに主体的に関わることができる。

目次

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(臨床研修一般目標)

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(外来診療、在宅医療、ターミナルケア、医療の社会性、地域医療・福祉・行政との連携)